投資信託の”再投資による複利効果”で利益増大の爆発力

投資信託、再投資による利益増大の爆発力

投資信託には、配当金の再投資という仕組みが始めから搭載されているものがあります。(※)

配当金の再投資が行われることで複利効果を生み出し、雪だるま式に利益を増大させる仕組みが最初からビルトインされている、というわけです。

本記事では投資信託の複利効果と再投資がどのように資産を増やすのか、わかりやすく解説していきます。

(※)配当金の再投資を行わない=利益は都度分配金として投資家に払われるタイプ、の銘柄もあります。本記事では基本的に配当金の再投資が行われる銘柄についての話をまとめています。

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そもそも複利効果とは?

複利効果は、投資利益が元本に加算され、次回の利益計算の基準となることを指します。

…といっても、ちょっと分かりづらいですよね。

「10,000円を投資する」ケースを例に、見てみましょう↓

例えばいま手元に10,000円があり、これをリターン率10%/年の投資信託に投資したとします。

その状況を例に複利効果を解説します。

[1年目]10,000×1.1で11,000円となり、合計利益は1,000円に。
[2年目]手持ち合計11,000円をまるごと同じ投資信託に再投資。11,000×1.1で合計12,100円となり、合計利益は2,100円に。
[3年目]手持ち合計12,100円をまるごと同じ投資信託に再投資。12,100×1.1で合計13,310円となり、合計利益は3,310円に。

3年間だけだと、「こんなものか」と思うかもしれませんが、
これを20年間繰り返すと。。。。

グラフのようにグングンと伸びていきます。

黄色部分=最初に投資したお金
青色部分=利益

[20年目]手持ち合計61,159円をまるごと同じ投資信託に再投資。61,159×1.1で合計67,275円となり、合計利益は57,275円に。

10,000円が最初の投資額の場合は上表の通りですが、これがもし最初の投資額を100万円としていたら、672万円になっていた、ということです!

とてつもない威力です。

複利効果

放ったらかしにしているだけで、利益が利益を生み、雪だるま式に利益が増えていく。
これが、投資信託に最初から搭載されている複利効果です。

配当金の再投資

次は、投資信託が持つ特性である配当金の再投資についてです。

そもそも配当金とは何なのか、見ていきましょう。

配当金の流れについて

配当金とは、一言で言うと「得られた利益の一部を、投資してくれた人に配分するお金」ということです。

投資家と企業の間には「証券会社」「運用会社」が挟まっており、まず企業からの配当金は「運用会社」が受け取ります。運用会社は受け取った配当金を計算し、投資家への分配金額を決めます。

投資家が投資した企業から分配金を得られるまでの流れは下図の①〜⑥の通りとなります。

1
投資家が証券会社を通じて、自分のお金を投資信託に投資。
証券会社は、投資家が投資信託に参加するための窓口となる会社です。投資家は証券会社を通じて投資信託にお金を出資する形になります。
2
証券会社が出資金を運用会社に渡す。
運用会社は、投資信託の運用を担当する会社です。運用会社は、投資家から集めたお金を適切な投資先に配分し、資産を運用して利益を生み出します。
[証券会社の例] 楽天証券、SBI証券、など。

3
運用会社が株式を購入(=投資)。
運用会社はポートフォリオのバランスの調整・管理や株式の売買などを行います。証券会社から出資金を受け取った運用会社が、その投資信託に含まれる株式を購入します。
[運用会社の例] eMAXIS Slimシリーズの運用会社は三菱UFJ国際投信です。

4,5
企業は利益が出たら運用会社に配当金を出す。
例えばeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に投資した際、Apple,Microsoft,Google,Metaなど、アメリカ国内でトップ500に入る企業に投資をしていることになります。
企業は運用会社に対して配当金を出します。
6
分配金が投資家に支払われる。
運用会社が得た利益を投資信託内で計算し、それに基づいて分配金を計算します。この分配金は、投資家が出資した額に応じて配分され、投資家に支払われます。

配当金の再投資とは?

配当金の再投資の仕組みや複利効果について、筆者も長らく疑問を抱いていました。

自分の証券口座を眺めてみても、複利効果がどう効いているのかよく分からなかったためです。

配当金の再投資に関する疑問を解決するため、S&P500全力マンさんという方が運用会社に電話で直接問い合わせてくれました。

S&P500全力マンさんが投資信託のシリーズの1つであるeMAXIS Slimシリーズの運用会社の三菱UFJ国際投信に電話問い合わせを行った結果は、上の動画で紹介されています。本記事はこの動画も参考にさせてもらってますので、よかったら動画も併せてご覧ください。

当サイトは、そのemaxis slimシリーズも含めたS&P500系投資信託の価額予測をしています
価額予測を活用できれば、安値買いを積み重ねていくことも可能ですので是非活用ください。

Investment Trust Price Prediction

happa-bu.com/sp500-predictions/

結果から言うと、配当金の再投資は、いつ誰が実行しているをまとめると下記の通りになります。

■再投資を行っている人:運用会社

■いつ:運用会社が企業からの配当金を受け取った後

つまり、「配当金の流れの図」において⑤番のタイミングで、運用会社が企業から得た配当金を自動的に再投資に回している、ということになります。

はっぱ太郎

運用会社が配当金を再投資してるのか!

“再投資”っていうから僕の証券口座の中で保有口数が上がるのかと思ってた。

そうじゃないんです!

「配当金・分配金を受け取るのは投資家だ」というイメージがあるので、自分の証券口座の中で再投資される、つまり「自分の持ってる口数が上昇する」のかと思ってしまい勝ちですが、違います。

不正解 企業の利益が上がる→投資家の口座内で再投資され保有口数がアップ

正解 企業の利益が上がる→運用会社が配当金を再投資することで基準価額アップ

投資先の企業の利益が上昇→運用会社が同じ銘柄を再投資→投資信託の基準価額がアップが正解です。

配当金の再投資と基準価額の関係とは?

投資信託の基準価額は、その銘柄に組み込まれている各企業の株価が上がれば上がります。また、反対に株価が下がれば基準価額も下がります。

でも、なぜ配当金を再投資すると基準価額の増加につながるのか、もう少し詳しく見ていきましょう!

投資信託の運用会社は、配当金を同じ銘柄に再投資します。この再投資によって、投資信託の総資産が増加します。そして、総資産が増えると基準価額も増加するのです。

基準価額は以下の式で計算されます。

基準価額 = 総資産額 / 総口数

つまり、 総資産が増えると、単位口数に対する価格である基準価額が上昇するわけです。

ある企業から出た配当金を、投資家に戻すのではなく、運用会社がそのお金を総資産額に上乗せすることで基準価額が上昇します。投資家の資産は基準価額×持っている口数で決まるため、基準価額が上昇すると、結果的に投資家の資産も増えるのです。

例えば、あなたが投資信託に1口投資していて、基準価額が100円だとします。この場合、あなたの資産は1口×100円=100円です。しかし、配当金を再投資して総資産が増え、基準価額が120円になったとします。

すると、あなたの資産は1口×120円=120円になります。これが再投資によって、あなたの資産が増える仕組みです!

配当金の再投資は、基準価額の増加につながる大切な要素です。

※注意※

投資に絶対はありません。

過去の成績は未来を何も保証しません。リスクについては必ず考慮するようにしましょう。

まとめ

本記事のまとめです!

  • 最初から配当金の再投資が備わっている投資信託には複利効果が生まれる。その結果、利益が雪だるま式に増加する。
  • 配当金の再投資は運用会社が実行し、総資産の増加と基準価額の上昇につながる。
  • 記事は、投資のリスクを考慮するよう注意を喚起し、過去の成績が未来を保証しないことを強調している。

投資信託の再投資による複利効果を最大限活用し、資産の増大に努めましょう!

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