この記事では次のような疑問を解消できます🌿
- 二次利用って何?
- 二次利用費の目安は?
- 二次利用費の具体例は?
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著作権の定義や枠組みについては[著作権は盾であり矛でもある(第1部)]を
著作権の販売(譲渡)については[著作権は盾であり矛でもある(第2部)]を参照してください。
この記事では次のような疑問を解消できます🌿 著作権の知識は必要なのか? 著作権は具体的に何を守るものなの? スキルのフリマ【ココナラ】 はっぱ太郎 instagram → happa_taro [sit[…]
この記事では次のような疑問を解消できます🌿 販売(=譲渡)できる著作権と、できない著作権とは? 著作権を販売してもらいたい企業の心理とは? 著作者(製作者)の利となる著作権販売とは? スキルのフリマ【ココナラ[…]
著作権を理解していることは、製作者・クライアントの双方を守る盾でありつつ、売り上げもアップさせるという矛の役割も担っています。
今回は<二次利用費> 編です。
ブランドイメージの統一性(トンマナ )を考慮し、様々なメディアで同一デザインを利用したいケースというのはよくあるかと思います。(もちろん、トンマナを守りながら新たに作る、というやり方もグッドですが、そのお話はまた別の機会に。)
その時に便利なのが「二次利用」です。
二次利用の具体例とその相場価格を紹介しながら解説していきます。
二次利用権利を販売することで、ストレートに売上がアップします。
としてしまうのは勿体ない!
大切な製作物の[使用権]を管理して、売上げアップにつなげましょう。
そもそも“二次利用費”の意味とは?
まず二次利用とは
です。そして、もちろん二次利用費とは
です。
ぼんやりと概念的でイメージ付きづらいかもしれないですね。
実際のところは極めてシンプルですので、
今回はすべてチラシデザインを例にして解説していきます。
一次利用とは何か
例:チラシデザイン
チラシデザインの一次利用は
これが一次利用の全てです。
二次利用とは何か
二次利用とは、一次の利用目的以外での利用方法の全て、です。
つまり、チラシの例で言うと、チラシ状に印刷して配布する以外の全ての利用、が二次利用になります。
具体例を挙げますと、チラシデザインデータの一部または全部を下記の目的で利用する場合、それらは全て二次利用となります。
- ウェブサイトの宣伝に使いたい
- YOUTUBE宣伝映像の一部素材に使いたい
- SNSのプロフィール画像に使いたい
- イベントのPOPとして使いたい
- 新聞の広告として使いたい
- テレビCMの一部に使いたい
- 使用方法マニュアルとしてウェブサイトからダウンロードできるようにしたい
等々
クライアントさんがあなたの著作物の二次利用を希望された場合は、個別に設定した追加料金をお伝えしましょう。
[著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本]にはクリエイター達の体験や、裁判に至った件等の具体的内容が沢山掲載されています。法律に関わる本ですが、著者にデザイナー達が入っているのでとても読み易くまとめられていて咀嚼しやすいです。僕はジムでバイク漕ぎながら読んでいました。そんな風に片手間にでも読めるくらい読みやすいです。 |
二次利用費の相場は?
二次利用費は、主に以下の2つの要素で決めることができます。
- どのようなメディアに
- どのくらいの範囲面積のデザインを利用するのか
凡そこの2要素を用いて下記の式で、二次利用費を算出します。
二次利用費= 元の製作費 x 範囲面積の% x メディア固有の%
メディア別の二次利用費
二次利用費は、二次利用するメディアを介してその著作物を[どのくらいの量リーチさせようとしているのか](リーチ量による価格の違いは「使用権費」でも同様)によって費用を設定します。
[どのくらいの量リーチさせようとしているのか]とは言い換えれば、[期待できる波及効果]とも言えます。僕の事務所では、それを考慮しつつ二次利用費の相場を参考にしながら、下記のようなメディア固有値(%)を当てています。
メディアの種類と用途 | 製作費の何%か(メディア固有値) |
ウェブサイト | 80% |
SNS プロフィール画像等 | 20% |
新聞広告 | 180% |
テレビCM映像 | 240% |
イベント POP等 | 60% |
インターネット宣伝映像 | 80% |
屋外看板 | 60% |
パッケージ | 80% |
ウェブ上で不特定多数に頒布(ウェブカタログなど) | 80% |
🌿どのメディアの波及効果が強いのかは時代によって変化していきますので、上記の数字は不変値ではありません。
また、この数字は著作者の製作意図等によっても変わってきます。
二次利用費の具体例いろいろ
チラシデザインを例に、二次利用費具体例を挙げていきます。
[チラシデザイン 費 ¥40,000の場合]
◯範囲面積→表面一面なので→50%
◯メディア固有値→イベントPOP→60%
二次利用費=¥40,000×0.6×0.5= ¥12,000
製作費も含めた合計請求額= ¥52,000
ウェブサイト上の商品説明と新聞広告に使いたい。
◯範囲面積→20%
◯メディア固有値→ウェブ→80%
ウェブ用の二次利用費 : ¥40,000×0.8×0.2= ¥6,400
ーーーーーーーーーーー
◯メディア固有値→新聞→180%
新聞用の二次利用費 : ¥40,000×1.8×0.2= ¥14,400
二次利用費合計=¥6,400+¥14,400= ¥20,800
製作費も含めた合計請求額= ¥60,800
◯範囲面積→100%
◯メディア固有値→ウェブ上で頒布→80%
二次利用費=¥40,000x1x0.8= ¥32,000
製作費も含めた合計請求額= ¥72,000
著作者の裁量によって
とする場合もあります。その決定も著作者にはできますので、自らの裁量によって二次利用のルールを決めていきましょう。
二次利用の管理
二次利用は「どのデザインのどの範囲が、どのメディアに使用されたのか」等の情報をしっかり管理しまとめておくことが大事です。
二次利用は内容が細かく、且つ納品物のように目に見えないので、しっかりと把握しておかないと
追加で二次利用の許諾願いが来たけど、一体いくら請求したらいいかわからんー!
という辛い自体に陥ってしまいます。
これは信頼問題に発展しますので、スプレッドシート・エクセル等を活用してしっかりと管理しましょう。
過去の経験話
「知らなかったために、捨てることになってたお金」
まだ僕がデザインで独立したての頃、著作権や二次利用に関する意識と知識が薄かったために、本来ならば申し入れすべきだった請求を行えなかった事がありました。 それは、デザインまで作り込んだプレゼン資料の作成をご依頼いただいた時のことです。納品内容にはご満足いただいたのですが、僕の著作権知識の不足が「クライアントさんへの説明不足」を招き、 納品されたものは、自由にどう使っても良いんだよね
と誤認させてしまっていました。 プレゼン資料内のデザインは、宣伝用の映像素材、ウェブサイトのグラフィック、SNSプロフィール画像、等々さまざまなメディアに転用されていました。額にすると十数万円分の二次利用費です。こちらが気づいたタイミングで、それ以上の使用は辞めていただくようお願いしましたが、二次利用について事前に何も説明をしていなかったので、使用してしまった分の追加費用は請求することができませんでした。 これは言わずもがな 著作権は、盾でもあり矛でもあるとは、知識があればこの例のような問題を事前に防ぐ防御盾にもなり、その上、売上がアップする矛にもなるという事です。 品質の良いものが世に溢れていくためには、著作者側が著作権を知る事はもちろん、著作者がその大事さを依頼者さん達に伝えていく方途を獲得し広げていく、ということが大事になると思います。 |
[まとめ] 二次利用費の有効活用
- 二次利用とは「最初の目的以外」で、その著作物を利用すること。
- 二次利用費の目安は、二次利用メディアの「どのくらいリーチさせるか」「期待される波及効果」によって設定。
- 二次利用費をしっかり設定することは、売上のアップ、安定化につながる。
著作物の二次利用を有効活用して、安定収入と自由な選択ができる人生を手に入れましょう🌿
併せて著作権の販売についての知識も入れておきたい方は、第2部[著作権の販売]。
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著作権の枠組みを体系的に捉えておきたいという方は、第1部[著作権の枠組み]も併せて参照してください。
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参考資料
[著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本] クリエイター達の体験や、裁判に至った件等の具体的内容が沢山掲載されています。法律に関わる本ですが、著者にデザイナー達が入っているのでとても読み易くまとめられていて咀嚼しやすいです。僕はジムでバイク漕ぎながら読んでいました。そんな風に片手間にでも読めるくらい読みやすいです。 |
なるほどデザイン 目で見て楽しむデザインの本。 [ 筒井美希 ] タイトル通りに「なるほど」と思えるデザインが沢山掲載されています。普段生きていると「なるほど」と思える“根拠”について突き詰める事はないですが、この本ではデザインにとって大事な「説得力=なるほど」に、どのようにたどり着けるのかを論理的方法で教えてくれます。 |
追記
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